粉体塗装の主な塗装方法には「静電粉体塗装」と「流動浸漬粉体塗装」の2種類があります。
● 静電粉体塗装の工程
粉体塗装の主流である静電粉体塗装は、静電気を利用して被塗物に塗布する方法です。前処理をした被塗物を水切り乾燥炉で乾燥させ、スプレーガンで帯電させた塗料を、ブース内で静電気によって被塗物に塗布します。塗布した後は焼付乾燥炉で熱を加え、その後冷却することで塗膜が形成されるというのが静電粉体塗装の工程です。この静電粉体塗装は流動浸漬粉体塗装と違い、膜厚を調節出来ることが大きな特徴で、50ミクロンという非常に薄い塗膜にすることも出来ます。
● 流動浸漬粉体塗装の工程
流動浸漬粉体塗装は、圧縮空気を送って流動させている塗料の中に被塗物を浸漬させて塗布する方法です。前処理をした被塗物を予備加熱し、流動させた塗料の中に浸漬して塗料を塗布します。浸漬し塗布した後、再び加熱して冷却するというのが流動浸漬粉体塗装の工程です。静電粉体塗装と同じように熱を加えた後に冷却という工程がありますが、これは熱によって塗料の形状を変化させ、冷却によって形状を安定させるという目的があります。この方法は、厚い塗膜を形成するのが大きな特徴です。200～500ミクロンといった厚い膜となるため、耐食目的の塗装として使用されることが多くなります。
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